目的

 2011年の8月から12月終わりにかけて、タイ王国を南北に流れるチャオプラヤ川流域にて大規模な洪水が発生しました。関東平野と同程度の約18,000 km2が浸水被害を受けたとされ、農村部だけでなく、工業地区やタイ王国の首都バンコクを含む都市部でも浸水被害が生じました。地域によっては浸水が1カ月以上の長期にわたったところもあります。
 洪水時には、河川からの氾濫水に加えて下水道管からも水が溢れ出し、汚水に由来する水系感染症のリスクの増大が懸念されます。また、今回のように洪水が長期にわたった場合には、浸水の終息を待つ前に日常生活や都市活動を再開せざるを得ないため、氾濫水に接する頻度も増えることから、それがどのような水質であるかを把握することは、洪水時の健康リスク対策を考えていく上でとても重要です。

 本調査では、大規模洪水がまだ収まらない2011年11月および12月に緊急的に現地を訪れ、洪水の状況を視察するとともに、氾濫水の水質を、異なる地区および時期に測定し、汚染の分布や洪水時期による変化を把握することを目的としました。本サイトでは、その際に撮影した写真やヘリコプターからの空撮映像、および水質測定結果についてご覧いただけます。


第一回調査

 2011/11/12〜11/13にバンコク市街地の浸水状況の把握と、チャチェンサオ県における洪水被害状況の視察および聞き取り調査を行いました。
 また、2011/11/19〜11/21に現地の研究者と共にバンコク市内および近郊における浸水状況の把握と水質調査を行いました。

第一回調査詳細

第二回調査

 2011/12/4〜12/9にバンコク市内および近郊(ノンタブリ県、パトゥムタニ県)の浸水状況の把握と水質調査を行いました。

第二回調査詳細

空撮映像

 2012/12/4に撮影したヘリコプターによる上空からの空撮映像をご覧いただけます。

空撮映像

リンク

  • 本多 了
    金沢大学 理工研究域 サステナブルエネルギー研究センター
  • 飛野 智宏
    東京大学 環境安全研究センター
  • Chaminda Tushara
    東京大学 環境安全研究センター ※現在スリランカに帰国
  • 渡邉 徹
    山形大学 農学部 食料生命環境学科
  • 真砂 佳史
    東北大学 大学院工学研究科 土木工学専攻
  • 片山 浩之
    東京大学 大学院工学系研究科 都市工学専攻
  • 福士 謙介
    東京大学 IR3S
  • 古米 弘明
    東京大学 大学院工学系研究科 都市工学専攻
  • Chart Chiemchaisri
    タイ カセサート大学 工学部